
おいしい野菜と幸せをシェア。 アグリゾート構想を全国に。
地域おこし協力隊(美星地区) 小村泰秀(コムさん)
「農業リゾート」という新発想
農業に出合ったのは、仕事や人間関係に限界を感じていた約十年前のことでした。それまで農業といえば「やりたくない仕事第1位」だったのに、突然「そうだ!農業をリゾートにしよう!」と思いつきました。早速、農家で2年間修業したのち就農したのですが、現実はそう甘くはありませんでした。野菜をいくら作っても採算が合わず、飛び込んではじめて知った、農業が抱える問題の数々に愕然としました。
それでも、乗りかかった船。「3K」イメージを一変するような画期的な仕組みを作れないものかと考え抜き、たどり着いたのが、福岡県北九州市でスタートした「サブスク型の会員制農園」という新しい発想でした。
欧米で主流の仕組みがベース
参考にしたのは、アメリカではじまった「コミュニティ・サポーテット・アグリカルチャー」(CSA)です。日本語に訳すと「地域支援型農業」。農家が抱えるリスクを回避しようとすれば、本質的な農業(人や地球を健やかにする農業)から離れていくという矛盾を解決する方法として生まれ、現在ではヨーロッパで主流のスタイルになっています。
サブスク型が農家を救う
アグリゾートの特徴は、農家と消費者が協力し合いながら「一緒につくる」会員制農園であること。月会費をいただくことで、農家さんの経済的な負担や後継者問題といったリスクまで、生産者と消費者が共に負担します。新たに就農したい人にとっても安心ですね。
そうすることで、農家と生産者が共に協力しあって、安心安全でおいしい野菜を作り、みんなで収穫を分け合えます。安定した農家を増やすことができれば、ひいては耕作放棄地の活用にもつながり、環境問題の解決を意識した、「環境保全型農業」にも取り組みやすくなります。
<アグリゾート美星>モデルを全国に
私たちの夢は、このアグリゾートの仕組みを全国各地で作り、ネットワークにすることです。都会には農業を始めたい人や新しい仕組みを受け入れる土壌がありますが、農業が根付いた田舎には抵抗があったり、関心を持たなかったりと難しい面があるかと思います。だからこそ、自然豊かな田舎である美星町で成功モデルができれば、世界的にも注目を集めるのではないかと考えています。アグリゾートの仕組みや農家が抱える問題を理解し、共感していただける会員の皆さんと一緒にぜひ夢を実現したいですね。
「アグリゾート」というひとつの概念が共通意識になるよう、美星町から全国へと輪が広がるような仕組みづくりをしていきたい。